在宅での運動もオンライン始め、種類は様々展開されバラエティ豊富になってきました。
自宅での運動を始める際、一人で行うことが基本となるため、「実際に何をしたらいいのか?」「何からはじめようか?」とまず方法から考え始めることが多いと思います。
やってみたい、面白そうな方法から始めることも一つの動機付けですが、方法を考える前にまずして欲しいこと、まずはセルフチェックとウォームアップから始めてみませんか?
セルフチェック?ウォームアップ?どちらも必要?
セルフチェックとウォームアップの目的と必要性をまずはご紹介します。
セルフチェック
目的
- 運動を始める前の自身の体調や生活習慣の把握
- 運動前に未然に起こりうる事故、ケガ、障害を防ぐ
必要性
- 自身に最適な運動の種類や強度(回数やセット数、姿勢など)を判別し、効果が出やすい運動の選択が可能となる
- 体調が優れない場合の事故、怪我のリスクを下げ、運動を「休む」という決断をしやすくなる
実際に運動を始める前に、自身の今現在の体調を知ることは、事故や怪我を防ぐためには必須項目です。
高血圧や糖尿病など内科的な疾患を事前に有していた場合、高強度の運動や持久的な運動を急に実施することによって、心筋梗塞などの重大な事故、強いては突然死などを引き起こす可能性が高くなります。
また、日常生活習慣によって膝や肩などの関節、ふくらはぎや体幹筋などの筋肉、大腿骨、脊柱などの骨など、ぞれぞれの機能が低下していたり変化していたりすることがあります。
特に通勤・通学での徒歩移動が減少し、テレワーク等の推進によって、自宅でのデスクワークが増加すると、運動以前の基礎的な身体機能が低下しやすい状態となります。
自分では、「いつも歩っているから大丈夫だ!」とか、「週末は毎週草野球をしているし運動しているから、ちょっとトレーニングしたとしても追い込める!」など、自分の現状が見えにくく思い違いをしやすいと、体調と運動の強度がマッチしない減少がおこります。
もっと怖いのは、「高校時代は〇〇の選手でバリバリ活躍していた!」など、若い頃(数年〜数十年前)の出来事で培った自信・自負が仇となり、現状の自分が見えにくくなっている、などなど。。
これらの状態を見極めるためにも、簡単なセルフチェックを通して、今の自分の身体評価を行うことの必要性は高くなります。
ウォームアップ
目的
- トレーニングの効率化・最大化
- 外傷・障害の予防
- 体温の上昇
- 心理的・精神的な準備
必要性
- 筋肉内の温度が上昇すると、パワーの発揮効率がアップ
- 柔軟性の向上や関節内の水分量・潤滑液が増加し、筋・腱・靭帯・関節への負担が減少する
- 心拍数の増加により、運動中の酸素摂取効率が向上
- 神経系の活動の活性化
運動開始する前、どうしても場所や時間、人などの制約があったりすると、即運動しようとする・しなければいけない環境になりがちです。
しかし、準備時間がなく即運動・試合のような状況となった場合、障害発生リスクが高まることはもちろんのこと、筋肉や神経等の働きが不十分となり、運動の効果や効率が低下しやすくなります。
1回の運動で効率よく、そして効果を発揮するためにも、上記の目的や効果から、ウォームアップを行ってから始めることが良いでしょう。
短い時間だとしても、その後の運動効果や持続性を高めることができるのであれば、事前の準備として日々取り組む=習慣化して取り組むことが大事になってきます。
実際にどうする? セルフチェック&ウォームアップ
次は、セルフチェックとウォームアップ、それぞれの具体的な取り組みについてご紹介します。
実践!セルフチェック
簡単なセルフチェックの目安は、特定の動作をしてみて、「張っている/張っていない」「硬い/柔らかい」「出来る/出来ない」を知ることです。
チェックする項目としては、まずは運動習慣があるか、ないかによって少し変化してきます。
1.運動習慣がない、多くない場合
日常生活のみで基本的な運動習慣がない場合や運動したとしても数分、1ヶ月に1回程度の場合は、基礎的な運動能力が低下している可能性があります。
そこでまず知る項目としては、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)になっているかどうかを知る必要があります。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)って?
骨や関節、筋肉などの運動器の衰えが顕著であり、「立つ」「歩く」などの機能が低下している状態のことをさします。
内科疾患ももちろんですが、歩く動作や立つ動作などの低下は、日常生活を制限され、最悪の場合支援や介護を要する状態となります。
日本整形外科学会では、「ロコモ」として広く認知・活動を進めようと、様々な提言や活動を進めています。。
簡単に出来るロコモティブシンドロームのチェック、以下の様なテストでまずは運動前に試して見てはいかがでしょうか?
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要
- 15分続けて歩けない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 2キロ程度の買い物を持ち帰るのが困難
- 布団の上げ下ろしなどが困難
※一つでも当てはまるとロコモの可能性がある
2.運動習慣がある場合
日常的に運動習慣があり、継続的な運動ができている場合、日々のチェックとしては、まず「体組成」を知ることが簡便に出来る方法です。
近年では、体組成計の種類や精度、価格なども進化し、以前よりも高精度な測定を家庭でも出来る様になってきました。
体組成計でわかることは、以下の項目が主になります。
- 体重
- 体脂肪量
- 体脂肪率
- 骨格筋量(機種による)
- 身体年齢(機種による)
日々の変化のバロメーターとして、体重と体脂肪率を知ることで、運動量と食事量のバランス、疲労度・成長度が数字として知ることができます。
もちろん、最近は活動量計やスマートフォンなどで、歩数や消費カロリー、走行・歩行距離まで知ることが出来るようになりましたがそれらも十分活用できる「セルフチェック」項目です。
体重や体脂肪率が急激に増減した場合(±2kg以上)、何らかの身体変化が起きている予兆と考えられます。
栄養素や運動内容を見直し、対応を図ることで、運動のしすぎや栄養の過不足を調節することができます。
また、日常的に簡便な方法としてもう一つは、w-upをすること、も簡単なセルフチェックになります。
特に筋肉や骨、関節等の運動器の疲労度、ストレス度を知るためには、静的・動的なストレッチを行い、「普段との差を知る」ことで、状態を主観的に判断できる材料です。
筋肉や関節が張る・腫れている=一定以上のストレスが筋肉・関節に対して、破壊→修復の過程にある、状態を指していると考えて良いと思います。
もちろんレベルアップのためのトレーニングは、一定の過負荷を与えて筋肉・関節に対するストレスを与えることが必要なのですが、その「ある一定」を超えている場合などは、激しい筋肉痛になりやすくなります。
そのため、日々同じストレッチやw-upドリルを行うことによって、張りの状態やストレッチ動作のしやすさなどに変化を感じることができ、運動前にその変化を「自ら知っておく」ことが可能となります。
自分の今の状態を知ることから始める、運動前の準備としてぜひ進めてみてください!
続きはまた。